私たちはいつだってつかみそこねる




夜道に獣の匂いが混じるのを嗅ぐ


いつも余計な音ばかりある

本当は

時計の音や密やかな物音だけでよいはずなのに



私たちはいつだってつかみそこねる

生温い睛をしたあなた

この間視た夢はなんだったか



そうそう必要なものなど無いはずなのに

もっともっととねだる姿に

わづかなうっとうしさとあきらめの入り混じったいとしさを覚え





蜜など要らぬのだ

ただただ互いを抱きしめアイ交じ入ろう

光る箱など眺めていてはいけない




私たちはいつだってつかみそこねる

互いの熱だけが頼りだった





〈ただただ抱きしめアイ交じ入ろう〉

〈蜜など要らぬのだ〉

〈…などに触れていてはいけない〉

〈……………つかみそこねる……〉








アイ  /2001年





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